魔法のキス

帰ってからすぐに雄馬に電話をした。
なんと言えばいいのかわからなかったが、とにかくしてみなくては。


「朋花……」


雄馬はすぐに出た。


「雄馬ごめんなさい。メールも電話もくれたのに」


怒ってるよね当然。
せっかく来てくれたのに、その日に追い返してしまったし。


「朋花、もう俺のこと嫌いになった?」


えっ?
逆でしょ!


「なんで私が雄馬のこと嫌いになるの?雄馬ありがとう。私のためにいろいろやってくれて。お父さんに話すのも怖かったでしょ?受験もあって大変だったのに、ごめんね」


「嫌いになってない?俺たち結婚できる?」


「嫌いになんかならないわ。私がワガママなのよ。私こそ雄馬に嫌われたかと思ってたのよ」


「朋花が好きだから頑張ったんだよ」


「うん、わかってる。私ね、他の仕事探すの。マンションも出る」


「どういうこと?ああ、会って話したいよ。近いうち行っていいか?」


「ごめん。なるべくメールなどで説明するわ。雄馬に今度会うのは雄馬が入学してからにしようよ。まだ両親にもわかってもらえてないし」


自分勝手かな?
でもわかって欲しい。


「わかったよ。朋花には何か考えてることがあるんだね。でもちゃんと報告しろよ。じゃないと会いに行くからな!」


良かった。
わかってもらえたみたいで。


「わかった。愛してるよ雄馬」


「俺も愛してるよ朋花」


4月までに仕事と住む場所をみつけたい!絶対にみつけるわ!


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