蓮杖探偵事務所の飄々事件簿

本当は怖くないグリム童話好き少女

耕介が警察の知り合い…徳さんに連絡する事で、ウェンディは警察へと連行された。

その様子を、耕介、雛罌粟、後からやって来た俊平や冴子は見守る。

「本当に…殺人鬼だったんですね…」

悲しげに呟く冴子。

「この後ウェンディちゃんはどうなるんですか?」

俊平が耕介を見上げる。

「殺人罪にゃ変わりねぇ…幾ら人格を支配されてたからって、ウェンディが無罪放免って訳にゃあいかねぇだろうな…警察病院に移送されて…精神鑑定の後にその処遇が決まるってとこか」

耕介が顎の無精髭を撫でながら言う。

思えばウェンディもまた被害者。

殺人犯の血を輸血されてしまった、薄幸の少女なのだ。

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