[完]俺様くんがスキなんです!!
「いいじゃん別に、ずっと会えなかったし……うち健人不足ー!!」
「よし!!これから俺ら二人でデートだから邪魔しないでねー♪あ!!風磨とのデート頑張ってー♪」

すると彼女が俺をチラッと見て顔を伏せた。

「じゃーねー♪」

そう言って健人達は消えていった。

「風磨……?」

美紅が俺を不思議そうに見ている。

「あ?」
「どーしたの?ぼーっとして……」

しょうがねーだろ……

美紅が浴衣着てんだから……

つか似合いすぎ……

ぼーっとしねー訳ねーだろ……

「別に」
「ふーん……」

まだ俺をまじまじと見てくる。

「なんだよ……」
「風磨浴衣似合ってるね?」

ニコッと優しく笑う美紅。

ドクンッ……

俺の心臓が飛び跳ねた。

「ん?」
「行くぞ」
ーグイッ
「キャッ!!」

俺は美紅の手を引いてゆっくり歩き出した。

こいつはズルい……

そう心で思いながら。
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