いつも同じ空の下で
ゆっくりとヨシキから離れて、手に持っていた袋の中から綺麗にラッピングされた箱を取り出した
「はい!! 私からのプレゼント」
そう言って、卒業証書の様にズイッとヨシキの前に差し出した
そんな私の姿を見て、ヨシキの顏が徐々に笑顔を作っていく
「本当!? ありがとう! 開けていい?」
まるで子供みたいに目を輝かせるヨシキは、綺麗にラッピングを外すと、中からバッシュを取り出した
白と黒がベースのバッシュ
底が赤色になっている
ヨシキのイメージにピッタリだったもの
「かっこいい!! え!? ジュリが選んだの!?」
バッシュを取り上げて、上にあげたり裏返しにしたりして、まじまじと見ているヨシキ
その姿は、本当に子供みたいで思わず笑ってしまった
「うん。似合うといいけど」
ヨシキの喜び様に、私まで嬉しくなった
「ジュリありがとう!! 大事に飾っておくよ!!」
目をキラキラさせて子犬の様に、はしゃいでいるヨシキ
「えぇ!? 使ってよ!!」
「なんか使うのもったいないよ~」
「意味ないじゃん」
「――うん。やっぱり、飾っておく」
まさかのヨシキの発言が面白くって、笑ってしまった
そんな私を余所に、飽きもせずにヨシキはバッシュを眺めている
――喜んでくれて良かった
ユウキとアヤカにも、お礼言わなくちゃ
しばらくすると、嬉しそうに見ていたバッシュを、大事そうに箱の中に閉まったヨシキ
そして、再び私に向き直ってギュッと抱きしめられた
「こんな素敵なクリスマスは初めてだ」
私の髪を愛おしそうに優しく撫でるヨシキ
広い背中に手を回すと、抱きしめる腕の強さが増す
「来年もまた一緒に来ようね」
そう言って、ゆっくりと体を離して瞳を細めて私を見つめるヨシキに微笑み返す
そして、私の頬に添えられたヨシキの手の上に自分の手をそっと添えた
そして、求めあう様にお互いの唇を重ねた
冷たい唇に温かいヨシキの舌
何度も何度も、確かめ合う様にキスをした
その日見上げた空には
満天の星が輝いていた