いつも同じ空の下で
壊れた様に動かなくなった体
そんな私を見て、ニタリと笑った彼が私の太ももを持ち上げた
抵抗したいのに、体が動かない
大声を出したいのに、声が出ない
助けて、ヨシキ
迫り来る彼の姿を見たくなくて、思わず瞳を固く閉じた時―――
ガラッと突然大きな音が聞こえたと同時に瞳を開けると
開かれた倉庫の扉の向こうから光が漏れて入ってきていた
――誰?
逆行で誰だか分からない
クラクラする頭で、ぼーっとその先を見つめていると
突然ガンと鈍い音がして、私に覆い被さる様にして跨っていた彼がバランスを崩してドスっと、しりもちをついた
そして驚いて顔を上げた彼に襲い掛かる様にして、誰かが殴りかかった
ドスッと鈍い音が何度かして、床に誰かが倒れ込んだ
頭がクラクラする
ぼんやりと世界に霧の様なものがかかっている
すると突然誰かが私に駆け寄ってきて、ギュッと抱きしめた
ふんわりと香るシトラスの香り
その香りが胸いっぱいに広がった瞬間、涙が溢れた
「ジュリ、大丈夫!? ケガしてない!?」
「ヨ・・・シキ」
擦れた声を発した途端、フワッと乱れた服の私に、目の前の人が服を巻きつける様にしてかけてくれた