いつも同じ空の下で


話し終えるとヨシキは顔を上げて、小さく溜息を吐いた後、私の手をギュッと握りしめた

それでも私は、何も言わずにただ下を向いていた




―――留学




4年も会えない

ヨシキと、会えなくなる




そんな事が、グルグルと私の頭の中を回っている

するとヨシキは、下を向いている私の顎を持ち上げて前を向かせた





涙で前が見えない

瞬きをすると零れてしまう程、瞳に涙が溜まっていた





――置いていかれる

ヨシキに置いていかれる




そう思うと、体がカタカタと震えた

次のヨシキの言葉が怖い

厳しい現実から目を背けたくなる





きっとヨシキは、もう心に決めているんだ

何もかも決まっているんだ


留学の話をした時点で、もうその決断は変わる事はないんだ

ヨシキは、そうゆう人だ




一度決めた事は、決して曲げない



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