いつも同じ空の下で

決断



あれから、どうやって家に帰ったのか覚えていない



耳の奥からゴウゴウと音がする

ヨシキの言葉が私の頭の中を占領する

目の前が真っ暗になっていく





「いやだぁ・・・」





私はベットの上に突っ伏して泣き叫んだ

もう、どうすればいいか分からない

ただただ、現実を受け入れる事ができなかった




――――・・・
――・・・




それから、どれぐらい泣いていただろうか

気が付くと外は真っ暗だった




「頭痛い・・・」



ずっと泣き叫んでいたからだろうか、体が異常に重くって頭が割れそうに痛かった

頭を押さえながら、ゆっくりと体を起こすと、不意に携帯が鳴った

静かな部屋に携帯のバイブの音が低く響く



ふとカバンの中から飛び出している携帯に目をやる

画面には『ヨシキ』と書かれている




いつもなら、飛びついて電話にでていたのに

今はその名前を見るだけでも苦しい




「うぅ・・・・・・」




あんなに泣いたのに、まだ次から次へと涙が出てくる




私は置いて行かれるの?

4年も会えないなんて、そんなの・・・



マイナスな事ばかり頭に浮かんで、涙が溢れてくる

ヨシキの笑顔が浮かんでは消えて、再び暗闇の中に引きづりこまれる



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