いつも同じ空の下で
「別れたの・・・・私達」
震える唇でやっと声を出した私
その瞬間、目を見開いた2人
「どうしてっ」
隣でアヤカが今にも泣きだしそうな声で話しかけてくる
「ずっと・・・ずっと悩んでたの。どうすればいいか。でも、どうしても離れたくなかった」
ずっと悩んでいた
でも、どれだけ悩んでも結局はヨシキとは離れたくないという結論に至った
その度に、こんなにも好きなんだと思い知らせれた
「だったら、どうして!? 一緒にいればいいじゃない!!」
ユウキが息を詰まらせて、私の矛盾した答えに問いかけてくる
そんな訳が分からないといった様に瞳を揺らす2人をじっと見つめる
ポロポロと流れる涙は、止まる事はない
「――大好きだから・・・。最初は離れていても頑張れるって思った。けど・・・今離れてわ分かったの。少し会えないだけで、こんなにも寂しくって壊れてしまいそうなのに、4年も待つ事なんてできないっ」
――大好きだから、待てない
離れては生きていけない
壊れてしまいそうな心を必死に保って話し続けた
「例え4年待てても、もしヨシキの心が離れたら? 変わらないモノなんてない。ヨシキはそう言った!! 4年も会えない恋人をずっと想う事なんてできる!?」
もし帰ってきて、他の女の子がヨシキの隣にいたら?
待っている間に別れを告げられたら?
そうなったら、会いたくっても会いたくっても―――もう会えない
そしたら、きっと私は壊れてしまうだろう
私の悲痛な叫びを聞いて2人は目に涙を溜めている
「だから・・・別れたの?」
ユウキが大きな瞳から一筋の涙を流して私に問いかけた
「――今別れれば、もしどうしても会いたくなっても、一目でも見る事ができる。ヨシキがイギリスに行くまでに忘れられると思ったから。ううん、忘れなきゃ・・・」
ヨシキが日本を発てば、もうどんなに会いたくても会えない
一目見ることすらできない
それなら、行ってしまう前に忘れなきゃ
きっとまた会いたくなってしまう
でも日本を発つ前なら、遠くから見る事だってできる
――私は弱い
傷つく事が怖くて、壊れてしまう事が怖くて
逃げたんだ
――ヨシキから
こんな苦しい想い、もうしたくない