いつも同じ空の下で



「ごめんなさい」




逃げる事なく、真っ直ぐにそう告げた

その途端に、微かに星野さんが瞳を細めた




「結局俺はピエロか・・・」




瞳を下に向けた星野さんが、聞き取れない様な小さな声でそう呟いた




「アイツの所行くんだろ?」

「――はい」



固い決意を胸に、そう呟いた

すると、ゆっくりと瞳を持ち上げた星野さん

そして、向き合った私の手をギュッと握りしめた




「なら俺の手振り払っていけよ」

「え?」

「それぐらいの覚悟で行けよ」



いつもの無表情の星野さん

でも今は、悲しそうに瞳を揺らしている



きっとこの手を振り払ったら、もう私達は元には戻れない



一緒にご飯を食べたり

雑貨屋に買い物に行ったり

夜景を見たり

いろんな話をしたり



そんな事は、きっともうできない

星野さんはそういう人




でも




私は思いっきり、星野さんの手を振り払った

どこか悲しそうに私を見る、星野さん




「ごめんなさい」




最後にそう告げて、彼に背を向けて走り出した



――ヨシキの元へ



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