いつも同じ空の下で

届け物




あれから一週間が経った




私を心配してユウキが毎日私の家まで様子を見に来てくれた

何も言わずに、ずっと私の横に寄り添うユウキ



アヤカも毎日仕事の帰りに寄ってくれた

何も言わない私の背中を、いつも優しく撫でてくれた




何もする気になれない

心に大きな喪失感が――


世界が色を失ってる

なんの音も聞こえない




思うのは、ヨシキの事ばかり




私の心は、あの日ヨシキと一緒に死んでしまった

深い深い海の底にある

もう、戻ることはない





目を閉じると、ヨシキがいる



映し出されるヨシキはいつも笑顔で、私の名前を呼んでいる

その時だけは、現実から抜け出せた

温かい世界の中で

幸せだったあの時のままで




でも、目を開けるとヨシキはどこにもいない

喪失感が再び心を覆い、涙が溢れる

終る事ないループが、私の心を壊していく



泣いても泣いても、涙が枯れる事はなく

この悲しみと一緒に流れて消えてしまいたいとさえ思った

もうずっと目を閉じて、目覚めなければいいと


そう思っていた






そんな毎日をおくっていた、ある日

ヨシキのお母さんから1本の電話があった



『明日家に来てもらえないか』と


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