不滅の妖怪を御存じ?









「有田、天文学とか興味ない?」


学校の授業が終わり帰る準備をしていたら同じクラスの竹内蛍に話しかけられた。
夜空のようなクリクリした青い瞳がいたずらっ子のようにきらめいている。

藍が口を開こうとしたらドンッと後ろから強くぶつかられ、前に派手に転んでしまった。
必然的に竹内蛍をも巻き込んで廊下に倒れる。


「変人コンビきめぇんだよ!」


ギャハハと品のない笑い声とともにドタドタと足音が遠ざかっていく。
またあの子たちか、と藍は制服についた埃をパンパンと払いながら思う。

藍は彼女たちの名前を知らないのだが、向こうは藍と竹内蛍のことを知っているようだ。
尻餅をついている竹内蛍に手を差し出す。


「ありがとな。」

「いいよ、別に。」

「俺は有田のこと変人だとは思わないけどな。」

「そう。私は竹内くんのこと変人だと思ってた。」


藍がそう言えば竹内蛍はポカンと口を開けた。

彼の手を見る。
手の甲に「X線フラックスB4.06」とマジックで書かれている。




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