不滅の妖怪を御存じ?





「また宇宙天気予報?」

「あ、あぁ。」

「何ショック受けてるの。」

「いや、有田にまで変人って言われちゃ俺もおしまいだろ。」

「宇宙オタクは変人でしょ。」


結局竹内蛍も藍のことを変人だと思っていたのか。
失礼な。

竹内蛍。
日本一財力を持つと言われている竹内家の長男の彼が何故こんな平凡な高校に通っているのか。

理由は単純。
彼は宇宙にしか興味がないからだ。
外交にも経済にも株にも興味なし。
テストも赤点ばかりで進級も危ぶまれている。
家督は彼の姉である竹内天音が受け継ぐ予定らしい。


「天文部作りたいんだけどさ、興味ない?」

「ないよ。」


宇宙天気予報の結果をブツブツと呟き続ける竹内蛍はまさに変人だ。
ラジオのような口調で宇宙天気予報を読み上げそれを録音しているらしい。

やっぱり、竹内蛍は変人だ。

藍は竹内蛍を置いて早足に帰った。





< 12 / 491 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop