不滅の妖怪を御存じ?







シトシトと。

四人分の足音が響く。
自分たちが今どこにいるのかも分からなくなってしまった桜たち四人はとにかく近場の出口を求めて歩いていた。

沈黙。
だがそれは今の自分たちの状況への憂いではなく、先ほどの出来事への思案だった。


「空気が流れてる。」

「奥に出口がありそうだな。」


千秋の言葉に桜も応じて足を速める。
いつまでも続くと思われた土の洞窟にも出口はあった。

古くなりバキバキに割れた扉を見つけた。
ミシミシと音をたてて開かれていく。

光が漏れていた。
外の光を眩しく感じながら足を踏み出した。


「……仁和寺か。」

「本当だ。」


出た場所は仁和寺だった。
くっと背中を伸ばしながら辺りを見回す。

どんよりとした空。
で、ここは仁和寺のどこなのだろう。





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