不滅の妖怪を御存じ?



見ればビー玉の中にはおはじきなども混ざっていた。
おはじきなんて懐かしい、と思った時。
一点だけ、鈍く光るものがあった。

透明なビー玉とおはじきの中でそれだけやけにくすんでいる。
藍は箱の中に手を入れそれを取り出してみる。


「銀貨?」


鈍いオレンジの厚ぼったいお金。
外国の硬貨のようだが、やけにコテコテで、何年前の物なのか分からないレトロな感じだ。


「あー、それ、親父の。」

「は?」


親父。
有明の父って、乙姫様の夫だから、竜神様?
え、竜神様の?
外国の硬貨?

あ、もしかして新婚旅行の時とかかな、と藍は硬貨を触りながら思う。

すると有明がさらに話を続けてきた。


「もう隠すのもめんどくせえから言うけどよ、俺は他の奴らと違って竜神の子じゃねーんだよな。」

「……え?」


藍は思わずバッと有明を見る。
ふわふわの茶髪。
ヒレのような耳。



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