anjel
その日の帰り。
久しぶりにライブハウスに寄った。
学祭の準備やらテストやらで、全然行けなかったからなあ。
ドアを開けると、亮二先輩がドラムを叩いていた。
最初に先輩と会ったときと、音が違う。
前はただ叩いて音を出しているだけだったのに、
今はその音から気持ちが伝わってくる感じがする。
音楽を、伝えようとしている。
その姿がかっこいい。
ひたすらドラムを叩いていて、私が来たことにまったく気づいてない。
しばらく見ていると、一曲弾き終わったみたい。
「幸望りんー!!」
勢いよく立ち上がって、私の元へ走ってくる亮二先輩。
そのままガバッと抱きつかれる。
「久しぶり~!
あいたかったー!!!」
「お久しぶりです!」
少し離れて笑顔を見せると、またぎゅっと抱きしめられる。