anjel








歌い終えた私は、スッキリしない気持ちだった。


亮二先輩の方を振り向くと、辛そうな顔をしている。


「先輩……?」


「幸望りん、何かあったの?」


「え…?」


「声が辛そうだった。

 それ聞いてたら、こっちまで辛くなってきちゃった」


……そんなに、歌にも私の気持ちが出てたんだ。


私は俯いて、このモヤモヤした気持ちを話し出す。


「……今日から学祭の準備期間に入ってんですけど、

 なんだか疲れちゃって」


「うん?」


「疲れたって、体調は大丈夫なんですけど、

 ……なんだか、精神的に疲れたなあって。」


「そっか……」


「フィールド長や衣装長の子を見てると、

 自分の無力さに嫌気がさしてくるんです。

 みんなとっても頑張ってるのに、

 私だけ何にも出来てないなあって………」


気持ちを言葉にすると、泣きたくないのに泣けてくる。


こんな気持ち、捨ててしまいたいのに。


気にせずに、私も頑張ればいいのに。


分かっているのにそれが出来ない。


だから、疲れるの。








 
< 419 / 600 >

この作品をシェア

pagetop