anjel
歌い終えた私は、スッキリしない気持ちだった。
亮二先輩の方を振り向くと、辛そうな顔をしている。
「先輩……?」
「幸望りん、何かあったの?」
「え…?」
「声が辛そうだった。
それ聞いてたら、こっちまで辛くなってきちゃった」
……そんなに、歌にも私の気持ちが出てたんだ。
私は俯いて、このモヤモヤした気持ちを話し出す。
「……今日から学祭の準備期間に入ってんですけど、
なんだか疲れちゃって」
「うん?」
「疲れたって、体調は大丈夫なんですけど、
……なんだか、精神的に疲れたなあって。」
「そっか……」
「フィールド長や衣装長の子を見てると、
自分の無力さに嫌気がさしてくるんです。
みんなとっても頑張ってるのに、
私だけ何にも出来てないなあって………」
気持ちを言葉にすると、泣きたくないのに泣けてくる。
こんな気持ち、捨ててしまいたいのに。
気にせずに、私も頑張ればいいのに。
分かっているのにそれが出来ない。
だから、疲れるの。