anjel








「………私は、」


溢れている涙を手で拭う。


「私は、みんなが笑顔になるような、

 そんな学祭をつくりたいです……!!」


背中に書いてある、"望幸"……"エンジェル"の名の通りに、


みんなに笑顔を届けたい。


みんなで幸せになる、楽しい学祭をつくりたい。


自分の想いを言葉にして言うと、


胸の中のモヤモヤがスーッと消えていくような気がした。


……私、ちゃんと目標あったんだ。


みっくん先輩に追いつこうと必死で、


大事なものに気づけてなかったんだね………


「じゃあ、まずは幸望りんが笑顔にならないとね~♪」


ニカっと笑う亮二先輩。


「早く泣き止め」


「翔、言い方言い方(笑)」


「幸望はこのくらい言わないと無理だ」


きつい言い方の翔先輩と、その翔先輩をなだめる奏多先輩。


「もう泣き止んでますよ!」


と言うと、翔先輩に、


「当たり前だ」


と言われる。


予想通りの返しに、思わず笑う。








 
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