anjel
「…お願いします」
ペコっと頭を下げると、気にするな、という
翔のそっけない声が聞こえてきた。
「翔が一番心配してるクセに(笑)」
「そーだそーだー!」
「…亮二だまれ」
「あー!また俺だけ!!!奏多には言わねーのかよ!」
「…お前に言われるのが一番ムカつく」
「なにそれひどくない!?」
どんな空気でもマイペースに口喧嘩を繰り広げる先輩たち。
…もう慣れちゃったけどね。
この口喧嘩に、救われるときがあるから。
「じゃ、幸望ちゃんちに行きますか」
「「「うぃーっす」」」
「お願いします!」
先頭は、なぜか亮くんと奏ちゃん。
そしてその後ろにみっくん、私、翔の順番で並ぶ。
「あいつら先々行って分かるのか?」
「…勝手に迷ってろ」
「あはは…」
迷いそうで洒落にならないんだけどな〜…。
「…幸望、帰ってから大丈夫か?」
翔がぶっきらぼうにそう聞く。
大丈夫じゃ、ないと思うけど……
「大丈夫ですよ、たぶん。」
「おまえ、たぶんって……」
「いつものことなんで、慣れてますから」
そう言って笑ってみせると、翔は何も言わなくなった。