anjel
「幸望ちゃんは、作詞の才能あるよ」
みっくんの言葉。
いつも、私にやる気と勇気をくれる。
「メロディも俺は好きだな〜♪」
ああ。
「…ちゃんと相手に届くようになってる」
"歌ってよかった"って思えるのは、
「俺らの心に響いたよ?」
聞いてる人に届く瞬間。
…でも。
「情景も思い浮かんでくるし…」
本当に嬉しいのは、
「…幸望、笑って?」
先輩たちに、認められたとき━━━━
「俺たちの前では笑っててよ」
溢れ出る涙が視界を歪める。
かろうじて、先輩たちが笑顔でいるのが分かる。
…私、本当幸せ。
好きな歌を作れて、
好きな歌をうたえて、
好きな歌を大切な仲間と一緒に。
「じゃあ昼飯食べた後、コード完成させて覚えよう!」
「…了解、亮二。俺と奏多はハモりとか考える」
「そうだな…じゃあ俺と亮二でコードと楽譜作ろう!」
「オッケー」
やる時はやる。
「でもその前にメシ〜腹減ったあ〜」
「…くたばれ亮二」
「翔も腹減ってるだろ?(笑)」
「機嫌悪いもんな」
「…うるさい」
でも、オンとオフが切り替えられる。
そんなメンバーが、私は大好き。
「じゃあ、早くご飯食べに行きましょ」
私がそう言ってライブハウスのドアを開けると、
4人が走ってこっちまで来る。
外に出れば、眩しい日差し。
…まだ、夏は始まったばかりです!