anjel









最初に遅く歩いていたせいか、


いつもより着くのが遅かった。


…でも、練習には十分間に合う時間で。


「今日もしっかり掃除しよ!」


と意気込む。


控え室に入ろうと、ドアノブに手を伸ばす。


すると……


「…本当に幸望に言うのか?」


「昨日メールで言っちゃったもん」


「そうだけど……」


翔、亮くん、奏ちゃんの声が聞こえてくる。


もう、いるの?


いつもはギリギリにしか来ないのに…


って、そうじゃなくて。


「…やっぱり何とかして誤魔化した方が良くないか?」


私は伸ばした手を引っ込めて、先輩たちの話を聞く。


盗み聞きだって分かってるけど、


今入ったって、はぐらかされそう。


…ごめんなさい、と心の中で謝る。


「でも、幸望りんのことだから、色々悩んでそうじゃん。」


「確かに……。泣かせちゃったもんなー翔。」


「…瑞希に言われた通りしただけだ」


みっくんに言われた通り……?


「俺は話すべきだと思うんだ」


「亮二はそれでいいかもしれないけど、瑞希は嫌がってたじゃねーか」


「…幸望だけには話すなって言ってただろ?亮二」


「分かってるけどさー…」


幸望りんかわいそうじゃん、と亮くんが呟く。


駄目だ、話が見えない。


みっくんが、私に話すなって言ったの?


いったい何の話なの?


みっくん……










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