君しかいらない~クールな上司の独占欲(下)
ブランドのイニシャルが刻印された、茶色と黒の上質な光沢。

ひとつを新庄さんが口に入れるのを、おいしそうだなあと見ていると、やらないぞ、と信じられないようなことを言われた。



「ええっ?」

「食いたきゃ、自分で買え」



これだって、私が買ったのに!

普通、こういう時って、ちょっとは、分けてくれたりしないだろうか。

嬉しいような、悔しいような、複雑な気分で、微妙にふてくされて、水面を眺める。


すると、新庄さんの笑う気配がした。



「冗談だ」



ほら、とひとつを差し出されて、少しためらってから、半信半疑で口をつけると。



好きだよ。



ささやきが、聞こえた気がして。

くわえた口を閉じる間もなく、噛みつくようなキスをされた。




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