君しかいらない~クールな上司の独占欲(下)
「やあ、ゆうべはどうだった?」
「なんでお前が知ってる」
「かまかけたんだよ、バカだな」
私は新庄さんが、水の入ったグラスを握りつぶすんじゃないかと思った。
彩が社内にいないので、お昼に新庄さんを誘ってみたんだけど。
食堂を使うのは、もうやめたほうがいいのかもしれない。
堤さんはなぜか、ちゃっかりと同じテーブルに座り、私たちを眺めて、ふうんと目を細める。
「なんかまだ、固いんだよね」
「どっか行け」
新庄さんが、堤さんが割ろうとしていたお箸を取りあげて、トレーにぴしゃっと置いた。
「じゃ、仕事の話にしようか」
ふいに低められた声に、新庄さんが、食べる手を一瞬とめる。
「お前んとこ、去年作った子会社と行き来あるんだろ。なら、ちょっと教えてほしいことがある」
「なんだ」
抑えた声で、後ろ暗そうな会話を交わすふたりを見ながら、考えてしまう。
男同士って、よくわからない。