君しかいらない~クールな上司の独占欲(下)
「でも、あのふたり、そのくらい離れてるんだろ」
「彩たちは、そうですね、ちょうど同じ」
新庄さんが、ヘッドボードの灰皿で煙草を消して、身体をあおむける。
その肩口に頭をもたせると、腕枕をするように、肩を抱いてくれた。
「妹なんて、まだ高校生ですよ」
「犯罪だろ…」
少し眠そうな声で笑う。
その声の振動を、身体につけた耳から、直接感じる。
こんな幸せを。
どうやって想像できただろう。
眠気が襲ってくる。
こんな時に眠くなるなんて、信じられないけれど、私はきっと、満たされすぎて、くたびれてしまったに違いない。
居心地のいい場所を探して頭を動かすと、くすぐったいのか、新庄さんが笑った。
この部屋は、リビングと違って、新庄さんの香りで満ちている。
すっかり慣れた、煙草と、香水。
それらに包まれて、幸福と眠気とで、もう溶けてしまいそうで。
新庄さんが、おやすみとささやいて、柔らかいキスをくれた時には。
もう半分、夢の中にいた。