君しかいらない~クールな上司の独占欲(下)
同い年だけど、社内でのキャリアは新庄さんのほうが少し長い、ということらしい。



「何か、仲たがいするきっかけでも」

「特にない。ただ、合わないってだけだ」



珍しい。


新庄さんは物言いがはっきりしているので、一見敵が多そうだけど、逆だ。

裏表がなく、原則として正攻法を用いるので、意外と反感を買わない。


まあ、本当にいつも真っ向勝負をしているのかというとそうでもなく、そう見せかけているだけで、実はあれこれと立ち回っているんだけど。

そのへんが、異常にうまい。


だけど自分のやり方を、他人に押しつけることはしない。

安易に人のやり方を否定したりもしない。

だから、誰かと合わずに不和が生じるようなタイプではないと思っていた。



「受ける印象ほど、ソフトな人柄ではないとは思いましたけど、堤さん」



そう言うと、新庄さんがへえ、と感心したような声を出した。



「それがわかるんなら、いい」



何が、いいんだろう。

新庄さんはそれ以上説明しようとはせず、後は他愛もない話をして、昼食を終えた。



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