君しかいらない~クールな上司の独占欲(下)
ゼミの同期だった秀二とつきあいだしたのは、大学3年の夏だ。
就職活動の時期も一緒に過ごして、別々の会社に行った後も、3年つきあった。
明るくて、人懐こくて、ちょっとのん気な秀二は、長いこと私の生活の一部だった。
「4月に、福岡に行くんだ」
「転勤?」
そう、と秀二がうなずく。
「たぶん、当分戻ってこないから、一度恵利にも会っときたくて」
急に連絡してきたのは、そういうことだったのか。
秀二は、うちの代理店ともつきあいのあるメーカーに勤務している。
全国の主要都市に支社があり、必ずそのうちのどこかで経験を積むことになっているはずだ。
「実績残して帰ってきたら、出世コースじゃん、頑張ってね」
うん、と笑う顔は、以前より少し、頼もしくなっていたかもしれない。
2時間くらい、と思っていたら、結局4時間も話しこんで。
気づけば終電の時間になっていた。
就職活動の時期も一緒に過ごして、別々の会社に行った後も、3年つきあった。
明るくて、人懐こくて、ちょっとのん気な秀二は、長いこと私の生活の一部だった。
「4月に、福岡に行くんだ」
「転勤?」
そう、と秀二がうなずく。
「たぶん、当分戻ってこないから、一度恵利にも会っときたくて」
急に連絡してきたのは、そういうことだったのか。
秀二は、うちの代理店ともつきあいのあるメーカーに勤務している。
全国の主要都市に支社があり、必ずそのうちのどこかで経験を積むことになっているはずだ。
「実績残して帰ってきたら、出世コースじゃん、頑張ってね」
うん、と笑う顔は、以前より少し、頼もしくなっていたかもしれない。
2時間くらい、と思っていたら、結局4時間も話しこんで。
気づけば終電の時間になっていた。