君しかいらない~クールな上司の独占欲(下)
「説明したら、聞いてくれますか」
「吸わない奴が、こんなとこ来るな」
私の言葉を無視して、画面に目を戻す。
私もそれを無視して、向かいのスツールに腰をおろした。
「あれは、泊めたわけじゃありません」
「なんで俺に、そんな話をする」
新庄さんが、顔をそむけて煙を吐く。
なんで、って…。
ひどい。
言い訳もさせない気だ。
ただでさえあいまいな、こんな私たちの関係で、そんなふうに言われたら。
何を言っても見当違いなようで、もう、言葉にすることが見つからない。
「…聞いてほしいからです」
くじけそうになりながらも、やっとそう伝えると。
「仕事場で、そういう話は聞きたくない」
灰皿に煙草を押しつけながら、私を見もせずに言い放つ。
冷たい声が、心臓に突き刺さって。
だけど、その理不尽さに、悲しみよりも怒りが勝った。
私だって、こんなところでこんな話、したくない。
だけど、他の場所じゃ、会えないから。
電話もとってくれないから。
仕方なくて、ここに来たんじゃないか。
──そのくらい、わかってるくせに!