君しかいらない~クールな上司の独占欲(下)
松岡さん、というらしいそのブラザーは、平たく言えば、堤さんの突きあげに耐えきれず、休職に追いこまれたのだった。
当時、独身寮にいた松岡さんは、そこでも問題になるほど、精神を蝕まれて。
「堤は中途だったから、俺みたいに新人扱いもされてなくて」
それが裏目にも、出た。
上司や同僚も、堤さんを取り立てるばかりだったのだろう。
でも、それは、堤さんのせいじゃない。
私のそんな思いが伝わったのか、新庄さんが続けた。
「堤は、わかったうえでやってた。俺は、それが許せなかった」
「それで…?」
それだけなら、堤さんが新庄さんを憎む理由には、ならないはずだ。
新庄さんは、一息ついて、続けた。
「企画部には、年に一度、企画のコンペがある」
「コンペ?」
聞いたことはある。
確か、部署を問わず、誰とでもチームを組んで参加することができる企画コンペだ。
話がずいぶん飛んだ気がして、思わず聞き返すと、新庄さんがうなずく。
「俺たちの部は、原則として全員参加だった。そこで、堤のチームを負かしたんだ」
「でも、そんなことくらいで…」
あそこまで、根に持つだろうか。
そう思った時。
「新庄はね、卑怯な手を使ったんだよ」
ふいに、柔らかい声がした。
当時、独身寮にいた松岡さんは、そこでも問題になるほど、精神を蝕まれて。
「堤は中途だったから、俺みたいに新人扱いもされてなくて」
それが裏目にも、出た。
上司や同僚も、堤さんを取り立てるばかりだったのだろう。
でも、それは、堤さんのせいじゃない。
私のそんな思いが伝わったのか、新庄さんが続けた。
「堤は、わかったうえでやってた。俺は、それが許せなかった」
「それで…?」
それだけなら、堤さんが新庄さんを憎む理由には、ならないはずだ。
新庄さんは、一息ついて、続けた。
「企画部には、年に一度、企画のコンペがある」
「コンペ?」
聞いたことはある。
確か、部署を問わず、誰とでもチームを組んで参加することができる企画コンペだ。
話がずいぶん飛んだ気がして、思わず聞き返すと、新庄さんがうなずく。
「俺たちの部は、原則として全員参加だった。そこで、堤のチームを負かしたんだ」
「でも、そんなことくらいで…」
あそこまで、根に持つだろうか。
そう思った時。
「新庄はね、卑怯な手を使ったんだよ」
ふいに、柔らかい声がした。