Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
「紗綾は我慢しすぎなの。本当にさ、あいつらにはもったいないくらい。うちの部にほしかったぐらい」

 そこで紗綾ははたと気付いた。

「香澄、部活は……?」
「あのねぇ、私の心配なんかいらないの。大体、ここで見て見ぬ振りなんかしたら、部長失格だって言われちゃうよ。副部長だってしっかりしてるしさ」

 香澄こそ無理をしているのではないかと紗綾は思ってしまう。
 なぜ、彼女がこんなにも自分を助けてくれるのかはわからない。自分も彼女を助けられれば良かったのに、何もできずに今になっている。
 けれど、何よりもオカ研との関係が壊れてしまったことが悲しかった。
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