Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
「あんた、何、その格好? ついに毒が回ったの!?」

 クラスメイトであり、親友の田端香澄(たばたかすみ)にそう言われたのはほんの数分前。

「これで人が来るわけないじゃない!」

 香澄がビシィッと指さして憤慨するのも無理はなかった。
 紗綾が手に持った黒いボードには『生贄募集中(定員一名) オカルト研究部』と血文字のように赤いインクで書かれ、シールのドクロが笑っている。
 オカルト研究部――通称オカ研らしいと言えばそうなのかもしれないが、あまりにもおどろおどろしい。

「まさか、あの性悪男に罰ゲームでもさせられてるの? また私の紗綾にひどい仕打ちを……! 今度、会ったら絶対ぶっ飛ばしてやるわ!」

 そんなことしたら絶対呪われる。
 彼女が言う性悪男が誰か、本当にやりかねないことをわかった上で、紗綾は首を横に振る。
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