銀色の蝶の香り
赤い鬼鹿
No.3
シロガネのヒメ……?
「オレはいいよ?かおりんなら大賛成。」
「俺も同感。」
「なに、それ……」
いやな予感しかない……
「知りたい?」
ニコリと鹿文君。
あ、なんか面倒くさいことに巻き込まれる気がする……
「いや、知りたくない…」
「いや雅が"姫"って言ったから知る必要があるよ、香織ちゃん。」
ニコリと猪崎君。
「そうだな~学校いてもつまんないし、あそこ行く?」
「まって行かない」
「まぁあそこに行く方が銀について説明出来るもんな。」
「行かないってば」
「行くか。」
「ラジャ!」
「だな。」
だめだ逃げよう!
なんかものすごくめんどくさい事に巻き込まれる!
…予感がする!
そっと、教室から出ようとすると、
「「「お前(かおりん)(香織ちゃん)何処行くんだよ?」」」
ふっと鼻で笑い、屈託のない笑顔、不気味に笑う微笑み。
どれも顔とは裏腹に言葉にトゲっぽい物が混ざってる。
逃げられない─────そう、思った。