透明な君
「花…咲かせられなかったのか?」
そっと細い茎をなぞって問いかけた。
答えるはずないとわかっていた。
けど、返事した。
「違うよ…。咲いてるの」
ハッとして
顔をあげたら
真っ白いサツキがいた。
「さ…つき…」
「ほら、ここ。触ってみて」
サツキの指先は茎の頂上を示していた。
何もない。
半信半疑に
そっと触れると、何かな触れた。
「え?何…これ…」
ぽそぽそしたものが
ある。
目に見えない何かが
ここにある。
サツキを見ると
ニコッと笑い、どこからか小さな白い袋を取り出した。
「見てて…」