透明な君
「どうして…透明なの?」
「ハルくんの涙が透明だったから」
不思議。
なんだか全て不思議。
でも、ただ咲いている。それだけでいい気がした。
「でも…どうしてタンポポ?」
これだけは気になった。
どうしてタンポポなんだろう。
僕からできたこの花は。
サツキは優しい笑顔をむけた。
「ハルくんの心がね…。春を迎えたの」
「え?どういう…」
「ハルくんの心は、私がいなくなってから
暗くて、寒くて、冷たくなっちゃった…」
私のせいで…
遠くを見つめて
サツキは呟いた。