透明な君


正直僕が父親になるなんてまだ実感がわかない。

でも日々膨らんでいく妻のお腹をみていると



今か今かと
そのときを待ち望んでいる。


なんとも
複雑な心境…。






今日一日分の疲れを
熱いシャワーで流して
夕食を並べている妻のもとへ向かった。


「あがったよ」


濡れた頭をタオルでこすりながら顔を覗かせると
妻がお腹を押さえてうめいていた。


「どうした!?生まれそうなのかっ!?」


焦る僕とは対象に
妻は汗を流しながら


「うん。生まれそう…。一緒に病院いってくれる?」



「もちろんだよ。車で行こう」





後部座席に妻を乗せ
安全運転かつ猛スピードで病院にむかう。


車のなかで妻は


「男の子かな。女の子かな。どんなふうに育ってくれるかしら?」


なんて呑気なことを言ってる。



本当に大したものだよ。


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