透明な君

サツキの家から
歩いて十分のご近所に自宅がある。





「ただいま」


「お帰りなさーい!!」

ヨイショヨイショと
壁に手をつけて向かってくる妻を見て慌てた。



「あ、いいよ!座ってなよ。体に響くから」


「ふふっ。大袈裟ね。でもこんな時しか甘えられないものね。お言葉に甘えさせていただくわ」


妻の体を支えながら
リビングに向かう。



妻のおおきなお腹には小さな赤ん坊がいる。


今週が出産予定日で
僕はいつもハラハラしている。


それに対して
女性というものは
初出産にもかかわらず、いつでも冷静でいる。


素直に尊敬する。

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