透明な君

生い茂った夏の
緑色の葉を揺らす柔らかな風に誘われて


教室の窓を開ける。


春一番が過ぎさり
初夏の風はまだホントに子供のように

元気に吹いたり
弱々しく吹いたり


感情に制御がなく
コントロールなんて必要ないこの風が

すごく羨ましく思えた。

サツキと付き合い始めたばかりの頃の自分を思い出して…。


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