透明な君
思い出
あの時も
まだ夏が始まったばかりだった。
誰もいなくなった放課後の教室に
僕とサツキの2人だけがいた。
この時はまだ
2人は恋人ではなかった。
ただのクラスメート。
と、いっても
僕にとってサツキはただのクラスメートではなかった。
サツキの姿に仕草に言葉に
全神経を集中させていたことに気づき
君が好きだと気づいて間もない時のこと。