透明な君


その子は
サツキの一番の友達の河瀬ヒトミだった。


髪型も色も身長も
サツキとは似ていないのにサツキの名を呼んでしまった…。



「ガッカリ?ハルキくん?ごめんね。期待もたせちゃって」


「そんなことないよっ!僕こそごめん…。」


「ウソばっかり。顔にガッカリって書いてあるもん。なんだ…ヒトミかぁって」


ニコニコと放つ
言葉にはトゲトゲしさや不快感はなく


ただ幼い子供をからかっているような陽気じみた感じがする。

間違えられたことは
てんできにしてない。


「ヒトミちゃん…」

それでも
やっぱりすまない気持ちでいっぱいになる。


肩を震わせ笑うヒトミちゃんが
なんだか懐かしい感じがした。


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