透明な君
ごめんなさいなウソ



ゴメンね…。
ゴメンね ハルくん…。
ゴメンナサイ
ゴメンナサイ
ゴメンナサイ…




死んだ人間は
後悔と苦しさ悲しみでしか存在できない。




ハルくん
ゴメンナサイ…




サツキは現世に死してなお、存在してしまった。



ハルくん
ハルくんなかないで
ごはんをたべて
ちゃんとねて
ちゃんとがっこうにいって
わたしのためになかないで




わたしがしんじゃったせいでハルくんもしんじゃう…




たすけたい


でも どうやって?



ハルくんにわたしのすがたはみえない
ハルくんにわたしのこえはきこえない
ハルくんのなかのわたしはおもいでしかそんざいしない…




死んだ人間には何もできない。






ああ、わたしどうしてしんじゃったんだろう







生前よりも白さを増した透明に近い手を見つめ少女は呟いた





自殺した人間は
後悔と苦しみ悲しみしか抱かない。





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