透明な君


保健室で手当てしてもらった後

職員室に2人ならんで
正座させられた。


ヒトミはまだ保健室にいた。ケガをしたわけではないが
担任の考慮である。



2人は冷たい汗を額から首に流していた。


校長、教頭、学年主任、担任…と

むさ苦しいオジサン達に囲まれ、冷たい目で見下ろされていたからであった。


校長が軽く咳払いして

「つまりぃ…三角関係のもつれ…ということかな?」


少し楽しそうだった。


「「いや、ちげぇから」」

2人で校長の
豊満な腹にそれぞれ右手と左手で
ビシッとツッコミをいれた。


「ばかっ!失礼だろがっ!!」
担任に頭を小突かれた。

「本当のことを言いなさい。女の子を泣かせるなんて男として最低なことですよ。ハッキリしなさい。」


「「だから、違うから」」


教頭の向こうずねに
同じくツッコんだ。


「こっ…こらっ!!いい加減にしないかっ!」


この場合
いい加減にすべきなのは教頭だろ
と心の中で呟いた。


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