透明な君
カラッと保健室の戸を開け
「失礼しまーす…あれ?」
誰もいない…?
「早く入れよ?ハルキ」
「誰もいない…」
「え?おーい、ヒトミー?いないのかー?」
保健室特有の消毒の匂いが広がるなかにヒトミはいなかった。
おかしいな…。
シャッ!
ベットの周りを囲む薄い黄色のカーテンが慌ててあいた。
「!?」
びっくりしてる間に
中から
しゃくりあげながらヒトミが勢いよくでてきて
僕とサトルにぶつかった。
「ひ…ヒトミちゃん?前見てないと危ないよ?」
「っごめんなさい…!」
そのまま
真っ直ぐ保健室から出て行ってしまった…。
どうしたんだろう…。
「僕たちのこと…怒ってるのかな…」
ポツリと呟き
罪悪感に包まれ下を向いた。
カーテンの奥から出てきた
若い女性の保健医の僕に向ける悲しい視線と
ヒトミちゃんが去った戸を見つめるサトルの視線に気づくことができなかった…。