透明な君

ピシッと戸が閉まり、
ハルキの足音が遠ざかって行くのを確認してから

ヒトミがいるであろう場所へ向かおうとした。


「…聞かないの?
わざわざお友達を先に行かせたのに」


優しい顔の保健医に負けないくらい優しい顔で



「だいたい…気づいてますから…」

言い残して保健室を後にした。


あーあ、
人の感情って なんでこんなややっこしいんだろうなぁ…。


「そこにいんだろ?ヒトミ…」


少しの沈黙…。
カタリと音をたてて
ヒトミが物陰からおずおずとでてきた。


< 93 / 205 >

この作品をシェア

pagetop