やっぱり愛おしい
そんな柴田さんに対して、麻ちゃんは乙女心全開でアプローチを続けて、バレンタインで柴田さんのココロを完全に手に入れたのだから、それまでのプロセスを知っている私は、麻ちゃんの恋が成就したことも、ふたりが仲良くしているのを見ていることもうれしかったし、社内恋愛を堂々と公表しているのを見ると、お似合いのふたりで、釣り合いが取れていて、うらましくもある。

私も藤堂部長、貴晶さんにふさわしい、
釣り合いがとれた女性なら、私は彼女だと公表できるのに、立派過ぎる貴晶さんに対して、特に秀でたモノがない私が彼女だと知られたら、貴晶さんが周囲の信頼を損ねるようなことになりそうで怖い。

でも本当は、貴晶さんにあからさまに色気全開で迫る女性社員を見ると、やっぱり嫌だと思う。
「私だけの貴晶さんに触らないで!!」
と、ココロの中で何百回も何千回も言えない言葉を消化していた。

柴田さんに素直に甘えている麻ちゃんに対して、貴晶さんに素直に甘えられない自分がはがゆくて嫌いになりそうだった。

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