やっぱり愛おしい
そんな私の思い、生活、人生に大きな転機がおこることとなったのは、その年の十二月。
世間が師走の忙しい時期のある日、大手企業とのコラボ企画の件で、私は企画開発チームと意見交換をしていたものの、思うようにまとまらず、休憩をはさみながら何時間も話し合いが続いた。
結論が出たのは夕方遅くで、やっとのことでオフィスに戻れた私は、藤堂課長から指示されていた、別件の原案の修正に取り掛かることができたけど、他の社員が次々と帰宅していく中で、気がつけば残っていたのが、私と藤堂課長だけになっていた。
時計はまだ午後七時四十分なのに、社員では私だけで、 パソコンや書類に目を通す藤堂課長の睨みつけるような視線を感じ、時々イライラした様子で立ちあがり、警報器が作動しない窓際の柱に寄り添い、軽く窓を開けて煙草を吸っては、私をチラリと見ていた。
その視線が痛くて怖かった私は、自分のせいで帰宅できずに課長を怒らせていると思い、申し訳なさにココロの中で何度も謝りながら、急いで修正のピッチを早めた。