魔性の女
ドキドキドキドキ。
ドキドキドキドキ…。
恥ずかしくて、うれしくて、幸せすぎてそのまま時間がすぎていった。
やっと、やっと手に入れたヒト。
こんなに片思いして実ったコトなんてなかったのに。
条件もバッチリだし!(笑)
「夢じゃないんだよネ?」
「当たり前。じゃあ今夜電話するから番号教えて。俺も教えるから。」
二人ともケータイなくて家電ってゆーのがウケたけど☆
夢じゃない!
今日から私は馬庭先輩の彼女!
部活サボれない!(笑)
やったぁ!!☆☆☆
……夢?
……夢じゃない?
……マジですか?
くどい!!
早速、梨英と由美に報告した。
二人はそろって涙声で祝福してくれた。
「よかったネ…。やっとホントに好きなヒトと結ばれたんだネ…。…ぐすっ。…マジよかった…。」
「もー!泣かないでヨ……。ありがとー…。」
二人の気持ちが痛いほどわかりすぎて私まで泣けてきた。
いろんなコトを一緒に乗り越えてきてくれた二人には、言葉で言えないほどの想いがある。
今度こそ、絶対に幸せにならなきゃいけない!
私の大事な友達。
ホントにありがとー。


心に残る小さなトゲは、馬庭先輩と一緒にいる幸せな時間を過ごしていくにつれて私を痛め付ける。
でも、勇気がでない。
できることなら、このまま過ぎればいーと思っていた。
私は逃げていた。
先輩、ほんとにゴメンナサイ。


つきあい始めてからの私は毎日ウキウキで過ごした。
まだ夢のよーで信じられない。
でも私の横にいるヒトは本物だ!
この頃の私はスゴイ欲張りで、『先輩の彼女』とゆー“証”が欲しかった。
どーしても欲しかった!
だから、おねだりしちゃった☆!
冬は私の誕生日。
そう!


恋人の“証”、指輪。


高校生じゃとてもムリがあるはずなのに、私がほしーってゆったプラチナリングを嫌な顔一つせず買ってくれた。
「高い誕生日プレゼントになったけど。」
「絶対大事にする♪ありがとー!」

ほんとにウレシかった。
ウレシくて舞い上がりすぎてた。
年上の男のカッコよさを垣間見たカンジだった。

もちろん左手の薬指にはめた。



私にはもー先輩しかいない。


素直にそー思った。
< 23 / 24 >

この作品をシェア

pagetop