黒龍





「着きましたよ」



当たり前だけど
自転車とは
比べ物にならない速さで
登校できたあたしたち。



「…ここが桔梗ヶ丘高校…」



不良校って聞いてたから
もっと汚いと思ってたけど
すごく綺麗で
校舎も大きい。


「あ、そういえば
 楓さんが学校に着いたら
 理事長室に行くようにって。

 ほら」



そういって見せてくれた
携帯の画面には
朝の制服のことも書かれていた。


「って、だから何で
 あたしじゃなく
 竜聖にメールするのっ!」


「あはは、
 そんなの…」


「竜聖のがしっかりしてるから
 しょうがないんだけど」


と竜聖の言葉を遮る。




「分かってるんですね」


ははっと軽く笑う竜聖に
ムカつきはしたものの
学校だから何も出来ず…



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