【完】キセキ~君に恋した時間~
……気持ち悪いって……。
相変わらずの毒舌は健在で、的確に俺の
胸を抉るからビックリだ。
……胸がイタイ……。
「……気持ち悪いとか言うなよ……」
「ふふっ、だって本当の事でしょ?」
そう小さく笑った美海が、どこか楽しげ
だったから、まあいいか、と思った。
……なんか、未だに夢見心地な気分。
目の前に美海が居ることが、未だに信じ
られない。
会いたかったのか、会いたくなかったの
か、自分でもわからない。会ったからと
いって、このモヤモヤは消えてくれない
。
だけどさっきから俺の思考を埋め尽くす
のは、キスの事ばかり。
自然と美海の形のいい唇に目線が囚われ
てしまうから困る。……だってなんか、
変態みたいじゃん。
バレたらきっと回し蹴りをくらうに違い
ない。
「……私、東京に来るよ」