【完】キセキ~君に恋した時間~





一人悶々としていると、不意に美海がそ
う言った。



「まだ許してもらえてないけど、絶対、
ここに来る。東京が好きだし……それに
、ここには徹が居るから」



そう言った美海は。



ちらほらと舞う雪に溶け込んでしまいそ
うなほどに、儚くて。



俺は何も言えなくて。



ただ、美海が壊れてしまいそう、なんて
漠然な不安に駆られたんだ。



だから、雪がやめばいいのにと強くねが
った。



君を消そうとする雪なんて──君を、不
幸にするモノなんて。



いっそのこと、消滅してしまえばいい。







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