【完】キセキ~君に恋した時間~
そして校舎が見えなくなってきた所で、
ようやく美海が止まった。
美海は息切れしてるけど、さすがに俺は
このくらいじゃ疲れなくて。美海はそん
な俺を睨んだ。
「なんで息切れしてないの、ムカつく」
そんな理不尽な……。
そりゃあ前の俺だったらね。余裕で息切
れして、ぜぇはぁ言ってただろうけども
。
まあ今は、部活してるからね。
「あと徹は自分のこと、わかってなさす
ぎ!鈍感すぎっ」
鈍感、って、磯部にも言われたっけ。
「俺ってそんなに鈍感?」
「鈍感!超鈍感!!」
自分を指差しながら首を傾げると、間髪
入れずにそう言われた。
別に自分が鋭いとか思ってた訳じゃ、な
いけど。