【完】キセキ~君に恋した時間~
俺は武野さんの元へと行き、声をかけた
。
「武野さん?……どうかした?」
そう言うと、パッと弾かれたように俺を
見上げる武野さん。
「あっ、ううん!なんでもないよ!お鍋
始めようよ!」
「ん、そうだね」
ニカッと笑った武野さんに微笑んで、皆
をリビングへと案内した。
「ねえこれ肉いれていいの?」
「野菜もちゃんと入れてね、磯部くん」
「そうだぞー!」
「とかいって福田さん、お肉ばっかりで
すけど」
「そういうお前だって肉が多いだろ!岡
田っ」
……そういう峯本もな。
鍋パーティーは、皆無意識の内に、自分
の場所に肉を寄せるのか、という大会に
なっていた。