【完】キセキ~君に恋した時間~
面倒なこと、無駄なことは嫌いなんだ。
疲れるし。意味ないし。
どうせ手に入れたモノは、いつかは消え
てしまうんだから。
何かを失うのが怖いなら、何にも触れな
ければいい。何も手に入れなければ、失
うモノだって無いんだから。
自分が損してる人間だなんて、そんなの
知ってる。
だけど怖いんだ。
もう、何かを失うのは……嫌なんだよ。
「……新宿行くんだろ。あんましつこく
すると置いてくぞ」
そう言うと、美海は悔しそうに俺を睨ん
でから、部屋を出ていった。
ジーパンに財布を突っ込んで、玄関に行
くとすでに美海が待っていた。
さっきは気にしてなかったけど、やっぱ
り美海も女の子だな。そういう洋服着て
ると。
白いレースのワンピース。それにミュー
ル。